現在の状況
各観測局の値に異常はありません。

空間放射線量率

  •  観測局(モニタリングポスト)で観測している空間放射線量率は、ガンマ線による空気吸収線量率(Gy/h:グレイ毎時)という物理量です。空気吸収線量(Gy:グレイ)とは、1kgの空気が放射線を受けることで得るエネルギー(J:ジュール)の量で定義されています。放射線の強さは、単位時間当たりに受けるエネルギーになるので、1時間当たりに放射線から受けるエネルギー量(Gy/h)を放射線の強さと定義しています。

    放射線量の単位Gy
  •  観測局では、物理量として計測される空気吸収線量率(Gy/h)の観測を行っていますが、人体への影響の大きさを表す線量当量率(Sv/h:シーベルト毎時)に換算した表示を行っています。
     本ホームページでは、1μGy/h(マイクログレイ毎時) = 1μSv/h(マイクロシーベルト毎時)として換算し表示しています。
     線量当量(Sv:シーベルト)とは、放射線が人体に与える影響を尺度とした指標で、正式には物理量として計測できる吸収線量(Gy:グレイ)を基にして、放射線の種類や放射線が当たった体の組織に応じた係数を乗じて求められます。
     ※μ(マイクロ)は100万分の1を表します。

    放射線量の単位Sv

空間放射線量測定のしくみ

  • 低線量検出器(NaIシンチレーション検出器)

     放射線(ガンマ線)が、検出器のヨウ化ナトリウム(NaI)結晶に当たると光を放つ現象を利用して計測を行うもので、数nGy/h(ナノグレイ毎時)の低線量まで、正確な測定が可能です。1nGy/hは1Gy/hの10億分の1を表します。
     ただし、空間放射線量率が高くなると発光数が増えすぎ、正確なカウントができなくなることから、数μGy/h(マイクログレイ毎時)が計測の上限となっています。1μGy/hは1Gy/hの100万分の1を表します。

    低線量検出器の内部構造
  • 高線量検出器(電離箱)

     放射線が検出器内に封入された気体に当たると電離する(イオンと電子に分かれる)現象を利用して計測を行うもので、100mGy/h(ミリグレイ毎時)程度まで、測定が可能です。1mGy/hは1Gy/hの千分の1を表します。

    高線量検出器の内部構造
  • 半導体検出器(電子線量計)

     放射線が半導体内の有感部(空乏層)に当たると電離する(イオンと電子にわかれる)現象を利用して計測を行うもので、10mGy/h(ミリグレイ毎時)程度まで、測定が可能です。電子線量計の線量率グラフ表示では、低線量率レベルから高線量率レベルまで全体の推移を見やすくするため、グラフ縦軸は対数表示を用いています。

    半導体検出器の内部構造

ページの先頭へ